今回はあるあるネタではなく、こんなことがあるんかい?的なネタです。
事の起こりは、娘のクロスバイクを点検がてら、買い物に行った時のこと。
症状
リアローに入れた時の異音。
チェーンが動いている時のみ、コツコツと一定リズムの異音。
足を止めると、異音はなくなる。
異音と共に、コツコツと足に感触が伝わってくる。
Momentum Z-5Air コンポはクラリス。リアスポロケは11-32T。
走行中に変速ワイヤーを締めたり、緩めたりしても、変化無し。
トラブルシューティング
家に帰ってスタンドに載せて点検の結果、リアディレーラー全体を手で後方に引っ張ると異音が消える。
→リアスポロケとガイドプーリーのクリアランス不足
が直接の原因。
取り敢えず、プラスチック製のスポークプロテクターを外すと異音が共鳴せず、やや音が小さくなる物の、何の解消にもなっていない。
修理1
スポロケットと、ディレーラーのクリアランスを広げるには、
「Bテンション調整ネジで調整」と思いますが、
トップ側のスポロケット-ガイドプーリーのクリアランス調整には、効果がありますが、ロー側スポロケット-ガイドプーリーのクリアランスはあまり変化しないようです。
ロー側スポロケットとガイドプーリーのクリアランスに対しては、Bテンションスプリングの張力が直接的に関係しているようです。
もう一歩踏み込むと、
Bテンションスプリングと、チェーンテンションスプリングの張力のバランスが関係しているようです。
1がBテンションスプリング 2がチェーンテンションスプリング
極端に表すとこんな感じでしょうか?
ディレーラー全体を後方に引っ張るために、Bテンションスプリングが、チェーンテンションスプリングの張力に打ち勝つだけの強さがあれば良い。と言うことになります。
スプリングのテンションを調整するための取り付け穴が2つあることを利用して、張力を強くする方向にかけ直せば修理完了です。
青矢印にスプリングを掛けると張力強。紫矢印にスプリングを掛けると張力弱。
・・・のはずだったのですが、
昔のディレーラーには付いていた機能が、現在のディレーラーでは省略されている!!!
現行の穴の横に強引にもう一つ穴を開けることを検討した物の、、、
あまりの強攻策のため、これについては最終手段にとっておきます。
とりあえず、修理1案は保留で、修理2へ進みます。
修理2
前回交換したBテンション回りのパーツを取り置きしていたので、Bテンションスプリングを以前の物に戻してみます。
その結果
Bテンションボルト調整幅の真ん中あたりで、調整した結果。
写真で見ても違いがわかりませんね。
ただし、整備スタンド上で回してみても、実走行でもコツコツ音&足触りは全く無くなり、無事修理完了です。
考察
今回発生した問題は、ロースポロケット最大歯数がクラリスの使用限界32Tだった。
と言うことが最大の原因だと思われます。
問題なく運用するためには、メーカーが保証する使用限界目一杯で運用することは避けた方が良さそうです。
今回問題の起こったBテンションスプリングは、昨年補修部品に交換したばかりなので、約15ヶ月使用。
取り置きのスプリングは、新車状態から約5年使い込んだスプリング。
古いスプリングが 新しいスプリングより ヘタリが少なかった
と言うことになります。
1.補修部品のスプリングは熱処理が甘かった?
2.補修部品のスプリングはマイナーチェンジ後の仕様で柔らかくなった。
→同時にチェーンテンションスプリングのバネレートも柔らかくなった。
→スプリング交換の際は2個同時交換が絶対に必要。
ただし、クラリスモデルは、チェーンテンションスプリング部分がカシメられているためスプリングのみの交換は不可能。
ディレーラーAsssyでの交換が必要。
もっとも、普通はこの状態であれば、ディレーラーAssy交換がデフォルトなので、補修部品が出ることが奇跡的で、
工賃が新品部品価格を上回る修理はプロに委託することはナンセンス。
工賃が無視できる個人でここまでやる人がどれ位いるか?
と言うことを鑑みて、以上は、ほぼ需要のない情報でした。