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社会保険

中国では社会保険が無茶苦茶である。
学校では社会主義は「揺りカゴから墓場まで」。社会保障万全と習ったのだが、これが全く・・・。

今でも会社の事を「単位(ダンウェイ)」と呼ぶのだが、本来の意味は、会社=1単位。何の単位かと言えば、会社は一つの町の形態をなしていた。一つの会社の中に 職場・学校・病院・市場・・。全て揃っていた。
人々は大きな"単位"に属する事を希望した。大きな単位は全ての福利厚生が、小さな単位より優れているため。医療面も当然大きな単位は、設備・技術共に優れている。単位内の病院にかかれば、医療費は全て無料。有給病欠の場合も単位の病院で証明を出して貰う。ずる休みの時は"袖の下"が物を言うらしい。

中国が改革開放を押し進め、これらの単位が、全て無くなった今、病人は各自で好きな病院に行く。昔であれば、小さな単位の病院では手に負えなかった病気でも、今では誰もが、優秀な医師の元で治療を受ける事が出来るようになった。但し、単位の病院と違って有料である。

現在中国では、社会保険が存在する。呼び方は異なるが、日本と同じように「医療保険」「厚生年金」がある。ここ10年以内の事であるが、始まった当初は地方税務局が窓口になっていたが、何度か窓口が転々としたあと、現在は社会保険局が窓口となって落ち着いている。うちの会社でも従業員のために払い続けているが、これがホントに途切れずに移行できているのかが疑問。保険料は取れる所から取りまくる主義。ひきかえ出す時は徹底して出さない主義。
医療保険は本人のみ。扶養家族の制度はない。また補償範囲・保証割合についても、今ひとつ明確さに欠けている。
結局はなんやかやで、本人負担の金額が多いのである。おまけに中国の医療費は高く、下手に入院すると、一般ワーカーの給料一ヶ月分など、あっという間に飛んでしまう。当然病院もこの当たりよく分かっていて、医療は全て前金。金の切れ目が縁の切れ目。どんな重病であっても、お金がなければ医療打ち切り。

何かこうやって見ると、資本主義の日本の方が、中国よりもっと社会主義的に見えてくる。国の構造って難しい。

ただ、今も昔も変わらないのは「農民」彼らは、昔から単位に属していないため、医療保障はなかった。こう考えると、中国の農業収入が上がってくると、若者が好んで農村に戻っていく・・・? もしかすると中国は、ものすごい農業大国になってしまうかも。