お気軽海外生活

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物を作ると言うこと。

先日クランクプーリーを交換して、エンジンが滑らかに回るようになった。
でもなんかヘン。わざわざエンジンの振動を軽減する目的で付けられているプーリーダンパーが原因で、エンジン振動が大きくなる? 確かに壊れていたから振動が大きくなった訳で、正常な状態であれば非常に有効な振動軽減装置とは言える。
ではこれが普通の鋳物一体型のプリーだったらどれくらいの振動になるのだろう?
 
以前聞いた話では、基本的に4気筒エンジンは6気筒エンジンと異なり固有の周波数がある。これは機械その物の、特徴でありどうする事も出来ない。その基本特性を根底から解決する"バランスシャフト"の出現により、エンジン振動そのものに、革命的な変化が起こった。すばらしい発明である。これを発明した技術者は、間違えなく偉大である。
但し、欠点としては、バランスシャフトを駆動するコグベルトがブチブチ切れる・・。なぜか? "エンジンの作りが雑だから" だそうである。バランスシャフを採用することにより、エンジン自体のバランスが取れていなくても、全体としては非常に振動の少ないエンジンとなるため、エンジンのバランス取りについては、手を抜いているそうである。それが証拠に、重量合わせをして、クランクの軸を出したエンジンでは、バランスシャフトのベルト切れが、まづ起きないと言う話を聞いたことがある。
これでは、本末転倒である。トイレの香水と同レベルである。
技術者・開発者は、今よりワンランク上の性能を狙って、開発したはずなのに、部品点数が増えることによるコストアップを、エンジン本体の作り込みの手抜きでカバーするという考え方。挙げ句の果てに故障の頻発。
コスト重視。付加価値。宣伝効果。派手な新技術。何か間違っているような気がする。
どちらかと言えば同社のデボネアエンジンに採用されていた、ローラーロッカーアームのような、地味だけどしっかり働いている感じのする技術が個人的には好きだ。