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中国製コピー製品の神髄

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大家のおばちゃんから昨日電話があり、今日友達を連れてやってきた。

大家の友達が、孫の食事椅子を物色している。けど中国にはいい物がない。
大家のおばちゃんが、以前ウチで見た子供椅子を友達に紹介したところ、一度見てみたい。との話の流れで今日やって来た。
という話の流れ。

大家の友達というのは、旦那さんがオーダー物の木製オフィス家具の工場を経営しているので、ウチの椅子を採寸してコピーして作るのだという。

彼女も実際工場に出て現場を見ているようで、サラサラと、スケッチ画を書いて、寸法を書き込んでいく。
このラフスケッチという物。中国人でサラッと描ける人はまず少ない。
現場を見ているというのも、まんざら嘘ではなさそう。

採寸して書き込んでいるの横からのぞいてみると、、、
やけに細かい。非常に細かい。おまけに規格材を使うための修正寸棒まで計算している。

が、しかし、、、
ウチでも子供椅子探しには苦労した。中国では良いデザインの物が売っていないので、最終的にはアメリカ人が帰国する際に置いて行った椅子を貰った。
中国で売っている椅子がダメで、アメリカ人が置いて行った椅子がよかった理由は、図のように子供が座ったときの重心が、前後の足の前よりに落ちること。
ただでさえ重心が高く不安定になりがちな子供椅子の上で、子供が反っくり返った時に、図左の椅子では簡単に後ろにひっくり返ってしまう。
この構造で倒れない椅子にするためには、下側を非常に重くしなければ安定しないはず。
結局は、見栄えではなくて、安全性重視の設計になっていることが絶対条件。

で、彼女の寸法書き込み図を見てみると、、、一時間ほど掛けて、あちこちの寸法を細々と書き込んでいるのに、重心の寸法線が抜けている。

結局ここが、中国コピー商品の神髄。
やたらと細かいことを、コピーして作る割には一番大切なことを見逃している。
たとえば子供椅子であれば、安全性。
その物の本質が抜けている商品、本質という概念が欠落している商品。
中国では、見た目だけのコピー商品が溢れて、世界市場に食い込んでいけない。所詮二流品と、軽視される理由がこの辺にあるような気がする。

 (図右が中国で売られている物。左理想型。)