YouTubeの自転車組み立て動画を見ていて、少し気になったので、、
複数のボルトで取りつけられている部分については、
「均等に数回に分けて締め付ける」
と案内されていますが、
トルクレンチを使用していても、ばらつきのある締め付けが結構見られます。
個人的には、トルクレンチは面倒くさい取り扱いに気を遣うので、依頼の自転車メンテナンスの時にのみ使用しています。
具体的なネジの締め付け方法は、
1.ネジ穴にタップを通す
非常に大事です。
ネジ穴が歪であれば、回転トルク管理をしても、軸トルクは安定しません。
タップを持っていなければ、最低限使用するネジをグリグリ通すだけでも効果があります。
ネジがスムースでないと感じた時は、コンパウンドをネジに付けてグリグリするのもありです。
1-1.アルミ母材であればできればヘリサート処理を行う。
安定感があるのでお勧めですが、結構な出費となりますので、スペシャルオプションです。
2.仮組み。工具を使わずに素手でボルトを均等に着座するまで締め込みます。
この時、アルミ母体-鉄ネジ の場合は、囓り防止剤を塗った方がいい。と言うのが個人的な感想です。
ネジ専用囓り防止剤、モリブデングリス、ウレアや石鹸基グリス。
グリスを使うと、トルク管理してもオーバートルクになるので非推奨。との考えもありますが、、、やはり固着防止のケミカルは欲しい。 ですね。
3.ここで初めて工具の出番です。
まずは、ヘキサゴンレンチの軸を持って、全てのネジを締め込みます。
4.2巡目。ヘキサゴンレンチの短辺を持って締め付けます。
5.3巡目。本締めです。長辺を持って締め付けます。
このレンチでは、一番端を引いた時にしなり始めた頃が、約4Nです。
胴体部分が6角のレンチであればどのメーカーも、3~4.5Nでしなり始めるようです。
胴体部分が丸形状のレンチはしなりがよく解らないので、個人的には、もっぱら固着しかけたネジの緩め専用工具として、使用しています。
プリセット形トルクレンチも使いやすいのですが、3回に分けて本締めするのに、いちいち調整し直すのは面倒くさくないですか?
ダイヤル式トルクレンチを愛用しています。
経験上、これで、目的トルクに達するまでのゲージの進み具合を均等に徐々に締め付けると、軸トルクが安定するようです。
2N~6Nに達するのに、5秒掛けて締め込むのか? 瞬発的な力で一気に締め込むのか?
この差は大きい気がします。
ダイヤル式トルクレンチお勧めです。