オフシーズンの通勤車O/H。全く急ぐ必要もないので、じっくり取り組んでいます。
BBベアリングに少しゴリがあるので、取り敢えずシールをめくって、グリスを抜いてみます。
ダメでした。
グリスが全くない状態でも「シャーャー」と気持ちよく回らないので、ベアリング交換です。
ここで気持ちよく回るのであれば、グリスだけ詰め替えれば、修理も可能ですが、今回は潔く交換です。
ベアリング 173110-2RS
内径 17mm 外径 31mm 幅 10mm 両ゴムパッキン
の規格のベアリングが、タンゲのBBに適合します。
BBのベアリングは特殊規格サイズです。
特殊サイズのベアリングは、日本では中々入手困難ですが、中国であれば、ネットで手頃な値段で簡単に見つかります。
既製サイズのベアリングの外側レースを一回り小さく削り込んで自転車用にしているようです。
BBに関しては、一般的な工業用部品と比べると、ハウジングが小さい割には軸が太い。と言う「せせこましい場所に詰め込んだ」と言う自転車の設計上の特殊性があるようです。
ベアリングには「マイクロフロン」これずっとずっと定番です。
シールをめくって少量振りかけて、シールをかぶせてクリクリ回して馴染ませます。
カップ&コーンのアタリ調整では「ピンスポット」等言われますが、実際の所は「スポット」ではなく「ゾーン」でアタリを取ります。
作りの良いハブであれば「ガタつき」が取れる位置から「ゴリ」の出る位置まで、ネジの角度にして20~30°の「ゾーン」が存在します。
経験上、テフロンパウダーをグリスに混ぜると、この「ゾーン」が5°ほど広がります。
また、ママチャリのハブでは「ゴリ」を感じるのに「ガタ」が取れないような、精度が低い作りの物も良くあります。
このようなハブにテフロンパウダーを使うと「ガタ」と「ゴリ」の
間のスイートスポットが出現します。
車のプロペラシャフトのクロスジョイントのローラーベアリングにも最適です。
この感覚を知ってしまうと、ベアリングにはマイクロロンが手放せなくなります。
BB組み付けは、当て物圧入用のネジ等巧く掛からない構造なので、軸をバイスに固定し、内側レースを慎重にフラットポンチで叩き込んでいきます。
これで、又当分快適に運用ができます。